ムスビの会とは

2013年

1月

01日

ムスビの会とは

 ムスビの会の「ムスビ」は大宇宙(マクロコスモス)と小宇宙(ミクロコスモス)を結ぶエネルギーの循環という意味と、人と動物、人と植物、人と人、人と地球、人と宇宙が平和に結ばれて調和の世界となることを願って付けました。
 目に見える関係だけではなく、目に見えない宇宙万物の繋がりの中で、われわれは生かされています。食卓に並ぶ野菜でも、それを作るお百姓さん、流通する人、小売する人、料理する人の縁で、やっと食べることができるのです。さらに、その野菜のイノチを育んだものは、太陽や大地、雨や風といった大自然の恵みです。

 こうした目に見えない繋がりを忘れてしまったのが現代社会です。この忘れてしまった一番大事なものに気がつくと、「生かされている」「おかげさまで」「ありがたい」「いただきます」「ごちそうさま」などの感謝のこころが生まれます。感動や感謝も、こうした目に見えない繋がりを感じることができると、自然に湧き上がってくるものなのです。

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ムスビの会 講師プロフィール

岡部賢二(おかべ けんじ)
日本玄米正食研究所 所長、フードアンドメディカルコンサルタント

 大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚き「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。日本の伝統食が最高のダイエット食と気づいた後、正食と出会い桜沢如一先生の食養健康法を学ぶ。正食協会講師として活動後、2003年、福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。
 農業の勉強のかたわら、マクロビオティックの講演や健康指導で西日本全域を回る。
 講演先は、主に保育園、幼稚園、学校、病院、自然食品専門店、オーガニックレストラン、企業などで、食育を中心に講演活動を行っている。

 また、陰陽五行と気・血・水の考え方と、深層心理学をとり入れた独自の健康指導で多くの方を指導している。
 著書に「マワリテメクル小宇宙~暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「ぐずる子さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)「家族を内部ひばくから守る食事法」(廣済堂出版)「からだのニオイは食事で消す」(河出書房新社)「月のリズムで玄米甘酒ダイエット」(PARCO出版)がある。1961年生まれ。趣味は畑仕事。

2013年

1月

02日

ムスビの会の活動内容

マクロビオティックとは

「正食=マクロビオティック」とは、本来、人間が生きるために食べてきた当たり前の食事のことです。自然のもの、旬のものなど生命力豊かな食べ物から最高のエネルギーを引き出すために培われてきた生活の知恵が詰まった伝統食を指します。


 この正食運動の創始者は桜沢如一(海外ではジョージ・オーサワの呼び名で知られている)とう人物です。明治時代の有名な食医である石塚左玄の提唱した食養法で、自らの病を克服。生涯をかけて正食(マクロビオティック)を世界に広めました。
 その思想の中には、東洋哲学(易学)があり、宇宙の法則に沿った生活を実践するというものです。「食物なくして生命現象なし」といわれるように、食べ物と体の関係を説く食物生理学が正食です。また、「身土不二」の言葉に代表されるように、身体と環境とのかかわりを解明する環境生理学でもあります。環境生理学はさらに広い視野に立つと、宇宙エネルギーと身体とのかかわりと見つめる宇宙生理学に発展していきます。

 

マクロビオティック・リーダー養成講座(MI塾)

マクロビオティックによる食事指導や講習を行う指導者を養成するための講座です。東洋医学の中核をなす易学の思想から「陰陽五行」の考え方と、中医学の中心となる「気・血・水」の考え方と病気への応用のし方を学びます。また、カウンセリングのための「メンタルセルフコントロール法」や「色彩心理学」、「深層心理学」の講座もあります。心と体の関係を勉強することで、心身ともに健康な人創りのための上級クラスです。10回シリーズ
本年度のMI塾の情報はコチラです。

 

マクロビオティック・プチ断食セミナー

自宅で、なかなかプチ断食がなかなかできないという方や、断食に不安があるという方にピッタリのセミナーです。酵素や発酵食品を使った断食なので、他の断食に比べ空腹感も少なく、体に負担をかけることがなく、安心して実践できます。1泊2日からあり、手軽に参加できます。自然の中で、断食のメカニズムを学びながら、さまざまなワークショップ(手当て法など)やセラピーも体験でき、デトックス&リフレッシュにはおすすめです!
本年度のプチ断食セミナー情報はコチラです。

人数が集まれば出張講座も可能です。
講演依頼

マクロビオティックの目指すもの

 自然界は絶妙なバランスと調和の中でイノチの営みがなされています。イノチの循環サイクルを大自然と捉えても良いかもしれません。その循環のしくみを陰で支えてくれているものを宇宙とか神と呼び我々の祖先は感謝をささげてきました。
 そのダイナミックな循環サイクルからはみ出してしまったのが不調和な病気ではないでしょうか。もし、そうであるなら、自然の中に身を置く時間を増やし、大自然が作り上げた調和のエネルギーがたっぷり詰まった野菜や穀物を感謝しながら食べ、自分自身の中に備わっている自然のリズムを取り戻していくことが健康な姿に戻る近道だと思います。


 もともと人間は自然とともに生きていました。夜が明けたら起きて活動し、日が沈んだら寝て体を休める。そして日々を楽しむ。大地から得たものに感謝をささげ、使い終われば大地にお返しする。太陽や大地と共に仲良く暮らしていたのです。風の心地よさや夜空の美しさ、木々の緑の輝きに包まれて豊かに生きていた時代があったのです。おそらく縄文時代は、そのような時代ではなかったのでしょうか。もう一度、そんな素晴らしい時代を取り戻しませんか。


 穀物や野菜を中心にした食事に切り替えると、過剰な欲望が抑えられて、自然とモノやお金がなくてもあるがままでありがたい、という気持ちになれます。己の分をわきまえて「足るを知る」心が出て来ます。性格を変えようと思っても、なかなか難しいですが、食べ物を変えることは誰でも実行可能です。食べ物が変われば性格も変わります。


 美しいものを見て感動し、人に対して思いやる心を持ち、生かされていることに日々感謝して、自分の夢を実現しようという前向きさで生きるためには、生命力あふれる穀物や野菜を主体としたマクロビオティックは何よりも助けになります。心豊かに生きるために食事をぜひ見直してみましょう。


 マクロビオティックは宇宙の秩序(大宇宙・大自然の法則)を日常の食生活に応用した実践哲学です。有限の世界の一切の拘束から解放されて広大無辺の無限の世界で生きるための生活術です。言葉をかえれば、大宇宙という無限電力発電所から無尽蔵のエネルギーを得る方法です。自分の中に埋蔵されている無尽蔵の幸福の鉱脈をより深く掘り下げていく行為といってもよいでしょう。


 聖(ヒジリ)とはその無限のエネルギーを取り込む術を知っていた人に他なりません。
「ヒジリとは太陽を知る人、光明の世界、有限界のことを知りつくしている人、光の根元を知っている人、つまり大宇宙の秩序を知っている人のことなのです。また、何の道にも達人というコトバがあります。道に達した人ということです。そして奇妙なことに達人は必ず学校を出たことのない人であるのです。自己完成の人でなくてはならないのです。なぜなら道は「行」よりほかに学び習い覚える方法がないのでありますから・・・・」と桜沢先生は「宇宙の秩序」の本の中で語っています。

 

 宇宙に満ち溢れている無限のエネルギーをダウンロードして、日々の生活に応用する秘訣が現代のサヌキ性を育てる教育ではなく、繰り返しの行(稽古)によるアワ性の開発にかかっていると言っているのです。
 また、むさぼる心というサヌキ性が発揮されるとその無限からのエネルギーが途絶えて、何事も行き詰ると指摘しています。始めあるものには終わりがあります。「知識というのは有限の世界、有限の狭い世界であり、いや、そのごく小さな限られた一部分であります。しかし無心でいるときは、有限の世界のいっさいの拘束から解放されて広大無辺な無限の世界、精神の世界に遊んでいる時であり、精神の世界は全体を見る世界でありますから、むつかしい問題を高所大所から大観することができ、解決法の出口がすぐ分かるのであります。」と我欲を無くした無心の状態が宇宙に通じる瞬間をつくると言っています。


 私たちの生まれ故郷は無限の世界であり、そこからやってきたことを思い出し、地球を修学旅行で訪れた少年少女のように、楽しく、夢のように、遊び楽しみながら日々暮らしていきましょう。現実の不自由な世界のなかで本来の無限の力を発揮するための遊びがこの三次元の世界に生まれた目的なのかもしれません。その目的をかなえるための心地よい暮らし方の秘訣がマクロビオティックです。


 マクロビオティックを実践していると、自然にアワ性が培われ、その結果、感性が徐々に磨かれていきます。体質も性格もイノチある食べ物がもつ潜在アワ量によって自然と変わっていきます。自然のリズムの中に身を置くことで、大いなるイノチ(大生命)に生かされているという感覚が甦り、霊性に目覚めていくでしょう。そんな自然や宇宙と一体となった感覚(潜在アワ量)が甦った時に夢がかない始めるのです。


 今まさに、科学と自然、物質と心が一体となった新たな時代に脱皮する時が来ています。これからは西洋の科学文明と東洋の精神文化が結ばれていく時代です。自然と人間が共生し、循環型の社会に変わっていこうとしています。そして神と人が結ばれて、自らの中にある無限の可能性が発揮され始めるようになるでしょう。まさに「むすびの時代」の到来といってもいいですね。


 そんな新しい時代を切り拓くのがマクロビオティックの本来の役割ではないかと思います。マクロビオティックで真に豊かな社会を実現しましょう。この学びの星=地球、宇宙の中で最も美しいと言われるこの惑星で、みなさん一人ひとりの使命(天命)を全うするという夢をかなえましょう!そして日々我々を生かしてくれている母なる大地=マザーアースである地球と、イノチを育む光を与え続けてくれている父なる太陽に感謝しながら、愛と光と希望にあふれた新世界に羽ばたきましょう。

「サ」から「ワ」の世界に!

 現代社会は「サ」のエネルギーが支配する社会です。「サ」とは「三角」を表し、ピラミッドの頂点を目指そうとする考え方で、男性性とか直線思考と言い換えてもよいでしょう。トップの座を獲得するためには、競争に勝ち抜いてその地位や権力を手に入れる必要があります。そこには競争意識が生まれ、同じ方向性を目指すものはライバルとなり、その結果、ギスギスとした人間関係に陥り、ストレスをためていくのです。


 「サ」の意識がはびこると、人間の能力は偏差値で序列化され、競争に勝った人は勝ち組となり、そうでない人を負け組として差別する意識が生まれます。また、経済的にも格差が生まれ、やがて持てる者と持てない者との間で闘争が引き起こされます。これが戦争であり、現在、世界的に横行するテロや犯罪を招く温床となっているのです。


 さらに、「サ」の思想は直線的な考え方として効率を重んじます。無駄をなくして効率的に仕事をする、というのは一見合理的な感じがしますが、一歩間違うと手間ひまや、まごころ、ゆとりといった目に見えない大切なものが抜け落ちる危険性があります。それがファストフードであり、大量生産の手法であり、忙しい人達(ビジネスマン)です。


 時間に追われると大事なことが見えなくなります。例えば、車のスピードが増すと視野が狭まり、景色を楽しんだりする余裕がなくなります。人間も忙しく動いていると周りが見えなくなり、自らのイノチをすり減らし、環境を汚染しながら暮らすことになります。反対にのんびり、ゆっくりと生活していると、本当に大切なものとは何か、が見えてくる。これをスローライフと言います。


 たまには快速電車ではなく、各駅電車で景色を楽しみながら行動してみませんか。結果さえよければ、という直線的な思考から、過程を楽しむ、過程から学ぶという考え方もあってよいのではないでしょうか。野球でもピッチャーが直球ばかり投げているよりも、変化球を織り交ぜながら緩急をつけて投球する方がバッターを打ち取りやすいように、我々も時には忙しい生活の中で、のんびり、ゆっくり、ぼーっとする時間を持つことで、より豊かな人生が送れるはずです。


 これからの時代は「サ」の原理にかわって「ワ」の原理に変えていく必要があります。「ワ」とは「輪」であり、○で表すことができます。○を描く場合、中心が必要ですが、その中心を愛といいます。

○は、すべての人が手をつなぎ、共生、共存、共感していく助け合いや、分かち合い、支え合い、認め合いの世界を象徴しています。これを女性性の原理とか調和の原理といいます。
 「ワ」は同時に「環」であり、これを「きずな」や「つながり」と言ったり、環境に配慮した自然循環型の社会と言ってもよいでしょう。「ワ」の原理に目覚める人が増えれば徐々に「和」の意識が芽生え、競争とは無縁な、和気あいあいとした和やかで平和な社会に変わっていきます。そして思いやりやおもてなしの心に満ちた大和なでしこの女性達や、大和魂をもった男性達が増えるはずです。


 では、どうすれば「ワ」の心=和心になれるのか。それは「和」の字から分かるように「禾」(禾本科のたべもの=稲や雑穀)を「口」にする、ということで、一言でいえば米を食べることです。桜沢如一先生は、米を食べる人びとが増えれば世界が平和になることを知っていて、マクロビオティックの食事法を世界に広めようとしていたのでしょう。


 戦争反対、と訴える前に、まずは一人一人が伝統的な和食=スローフードを食べることをから始めてみませんか。そうして「ワ」の原理に目覚める人が一人でも増えることで、不幸な戦争をなくしていけるでしょう。よく台所は「生命の薬局」と言われますが、日々の食事作りの中で手間ひまをかけ、手塩にかけ、真ごころ込めて料理を作る。そうすればきっと、今まで忘れていた目に見えないけれど大切なものに気づけるようになるはずです。


 日本の諺に「急がば回れ」とか「負けるが勝ち」、「残り物には福がある」がありますが、これは日本人の感性のすばらしさを表しているのではないでしょうか。なぜならそこには「我先に」という男性的な直線思考ではなく、「どうぞお先に」とう女性性的なゆずり合いの精神によって本来の幸せな境地に行けるのだという意味があるのではないかと私は思うのです。私たちひとりひとりが、そろそろ「サ」の世界から「ワ」の世界に意識をシフトさせ、真に平和な社会を築いて行きましょう。