広瀬隆著「東京が壊滅する日」を読みました。日本の原子力発電を推進してきた人々の背後で暗躍する闇の支配者たち。世界の金・銀・ウランなどの資源を独占する国際金融資本家グループと呼ばれる闇の支配者たちが原子力政策を世界に広めるために内部被ばくを過小評価し、放射性物質による被害を隠蔽し続けてきた歴史が、史実とデータをもとに書かれています。
福島の子供たちに甲状腺がんが増えています。通常であれば19歳以下であれば10万人あたり年間0.175人の発症率ですが、福島県では12.7人で、平常考えられる数値の72.6倍となっています。
放射能による後遺症には、鼻血、足の痛み、頭痛、疲労しやすいことなどに始まって、失明に至る白内障、先天性奇形、脳腫瘍を含む中枢神経腫瘍、白血病、リンパ腫、造血器の腫瘍、免疫系の弱化による消化器(胃腸)の不調、下痢の頻発、耳・鼻などの神経感覚器官の異常、尿漏れを起こす泌尿器の障害、
皮膚・呼吸器系に生ずる膨大な数の疾患、心筋梗塞、狭心症、脳血管障害などの症状がありますが、
放射能の内部被ばくは徐々に進行するので、病気との因果関係が分かりにくいのです。
2013年に出版された『チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店)によれば、ロシア科学アカデミー顧問でECRR(ヨーロッパ放射線リスク委員会)の委員でもあるアルクセイ・ヤブロコフたち高名な著者が「チェルノブイリ原発事故による死者の推計は、2004年までにほぼ100万人に達している」という驚異的なデータを示していると、本に書かれています。
また、東京農工大学の調査では、原発から40キロメートルの二本松市のカエルの体内放射能は、最高1キログラムあたり6700ベクレルを超えるものが発見されたこと。さらに福島県猟友会によれば、地中の野菜や小さな生物を食べるイノシシは「食物連鎖(生物濃縮サイクル)」の上位」にあるので体内放射能が突出して高く、それが歳月とともに増え続けて、事故から2年後の2013年には1キロあたり6万ベクレルという驚異的な数字を記録したと書かれています。食物連鎖のトップに位置する人間ははたして大丈夫なのでしょうか。
ロシアと同様に日本でもフクシマ原発事故の被害に関して、遺伝的な影響については、ほとんど禁句になっている状態のようで、その被害が解明されないまま、被爆地帯の子供たちの体内に引き継がれているのが問題なのです。
地球上に存在する生物は、進化の過程で、”体内に入りやすい自然界の放射性物質”を絶えず体の外に排出して濃縮しない、あるいは免疫機能を備えるなど、さまざまな適応能力を獲得した生物だけが生き残ってきました。ところが、ヨウ素、・ストロンチウム・セシウムのように”核分裂で生まれた人工放射性物質"は、広島・長崎に原爆が投下された1945年より前に、自然界にはほとんど存在しなかったのです。
そのため、生物はこれらの危険物に適応能力を持っていなかったので、次々とすさまじいい実害が出てきたのです。
アメリカのネバダ州の核実験場から220キロ離れたユタ州のセント・ジョージの町で放射性物質によるフォールアウトで大被害が起きたのですが、福島原発から東京駅・岩手県釜石までの距離がちょうど220キロなのです。ヨーローッパ放射線リスク委員会(ECRR)は、福島原発による放射線による大量の癌発生の範囲を220キロと予測しています。
不都合な真実が書かれた本ですが、今の日本の現状を理解するために、一読をおすすめします。
広瀬隆著 「東京が壊滅する日」 詳しくはコチラ
内部被ばくの対処法については、私の著書「家族を内部被ばくから守る食事法」をご参照ください。