今日は旧暦のお正月なので、うきは市の賀茂神社にお米の生産者の江藤敬介さんとお参りに行ってきました。江藤農園の育苗場の田んぼの水は、この賀茂神社の横を流れる隈上川から取水されています。浮羽の山中を下ってくる隈上川は、浮羽の森に降った雨が湧き水となって流れてきています。そんな綺麗な水で育まれた苗から無肥料・無農薬で栽培されたのが江藤さんのお米です。
ジャンボタニシで除草
米作りで何よりも大変なのが夏場の草取りです。一般の農家では、その草取りが大変なため除草剤をまくのですが、江藤さん田んぼではジャンボタニシに除草をしてもらっています。西日本では悪性外来生物として嫌われていますが、別名「稲守貝」とも呼ばれています。水の管理さえしっかりしていれば、タニシが稲の穂を食べることはないそうです。そこには、さまざまな虫や生き物が生きて循環している昔ながらの風景があります。
完熟米のパワー
この近辺の田んぼでは6月半ばに田植をして、10月初めには稲刈りをしますが、江藤さんの田んぼでは、10月半ば過ぎから11月初めにかけて収穫します。そうすると青米のない完熟米になるからです。私が浮羽の山中でレストランをしていた時から江藤さんの玄米を使っていましたが、不思議なのは、夏の暑い時を迎えるとコクゾウムシが発生するのですが、常温で保管しても虫がわくことが一度もありませんでした。
手間ひまが丈夫な稲を育む
米が完熟することで生命力が増し、虫を寄せ付けないようなのです。2年目の古米でも風味が損なわれないのも不思議でした。完熟農法もさることながら、目に見えない手間ひまが強い稲づくりの秘訣のようです。種もみを発芽させ、苗床で稲を育てるのですが、少し成長した段階で稲の上から足で踏みつけます。茎が折れるのですが、また茎が丈夫になって起き上がり、強い稲になるそうです。また、田んぼに植える稲と稲の間の風通しを良くし、太陽の光をたっぷり浴びせるために、株と株との間を広くして植えます。
台風で倒れても立ち上がる米
以前、台風が来て収穫前の稲が全部倒れたことがありました。周りの田んぼの稲が倒れたまま起き上がらなったのに対し、江藤さんの稲だけがまた立ちあがっていました。根を掘り起こしてみたら、普通の稲と比べると根の長さが倍くらい長かったので、なるほどと納得しました。生命力の違いがこんな所にも現れるのですね。
シェフのご用達の米
私も田植と稲刈りだけは、毎年応援に行っています。そんな元気な稲からパワーをいただけるからです。福岡で大人気であった「自然食レストランSIO菜」さんでも江藤米が使われていました。マクロの世界で大活躍の久留米で「古民家レストラン はぜ」を経営されている平田優シェフも同じお米がお店で使われています。ですので、田うえや稲刈りで時々平田シェフとご一緒することがあります。
江藤米で黒炒り玄米スープを
難病・奇病に焙煎した玄米のスープが効くので、使い方や作り方について全国を回って教えてきました。自分で作れれば一番よいのですが、火加減が難しく、炒りすぎるとタール臭やえぐ味が出てしまい、しかも酸化して逆効果になります。市販品も数多くでていて、すばらしいものも沢山あります。でも、私は江藤さんの生命力のある、江藤さんの真心が濃縮したお米で作りたかったのです。
試行錯誤の連続
昨年の12月から江藤さんと試行錯誤を繰り返し、焙煎機の製作から始まり、焙煎を何度もやり直して、2月初めに満足できるものがやっと出来上がりました。焦がさないように低温で長時間焙煎するのですが、この作業が実は大変なのです。その日の気温や湿度、米の状態によって火加減を微妙に調整しなくてはならず、まさに勘を働かせながらの手作業になります。どこで火を止めるかが最大の難関でした。早すぎると風味が足りず、炒りすぎると焦げくさくなる。その微妙なバランスで最高のものを作るのに時間を要したのです。
玄米スープで家族みんな元気に
それまで、調子が悪い時にしか飲まなかった玄米スープですが、味見で毎日飲んでいるうちに、私も家内も日に日に元気になっていくのにビックリしました。まず、体が冷えなくなる、イライラしなくなる、疲れにくくなる、やる気が出るなど、いろんな変化を自ら体験することができました。
毎日飲んでも飽きがこない
毎日飲んでも飽きがこない、後味がすっきりする、何といっても甘みがある、そんな理想的な玄米スープができました。残りカスを使って家内が玄米パンを焼いてくれましたが、これがとても美味しくて、我が家で大好評でした。飲んで楽しめ、カスを使った料理で二度楽しめる玄米スープです。旧正月で新月のめでたい日に販売できて良かったです。
浅炒り玄米スープは、ムスビの会の通販サイトから購入できます。