マクドナルド化する世界経済

マクドナルドで食品の異物混入が問題となりましたが、それについて中部大学の武田邦彦教授がブログに素敵なコメントをされています。それを転載させていただきます。(岡部)

 

 

「マクドナルドの食べ物の中に人の歯やビニールの破片などが入っていて、それも全国にかなりの数があったということで社会的な関心を呼んでいる。まず、私がビックリしたのは記者会見を受けたマクドナルドの重役さんの高姿勢だ。

 

異物混入で健康障害が具体的に起こっているわけではない。また多くの異物混入のなかには消費者の自作自演もあるだろう。そして個別に店頭であやまって代金は返しているのだからなにが悪い。ただ、弁護士が頭を下げろと言っているから下げているに過ぎない・・・と顔に書いてあった。

 

この問題について加工食品を販売している会社もおしなべて腰は引けている。異物混入を100%防ぐことはできないとか、昆虫を排除するのはむつかしいという考えで、食品の専門家もこの理屈を支持している。

でも、それは本当だろうか??

 

かつて、それはほんの50年ほど前まで、人間は「お母さんの作った料理」や「近所のそば屋で蕎麦を楽しむ」という生活だった。どこかわからない工場で大量に作ったものを調理もせずに食べるということはなかった。

 

お母さんが作った料理に異物が入っていないということもなく、時には髪の毛などが混入していたかもしれない。蕎麦屋でもまったく異物が入らないわけではない。でも、みんな安心して食べていた。なぜ、「異物が入っていても安心していたのだろうか?」、どこがマクドナルドとちがうのだろうか??

 

それは「愛情」の違いであって、異物があるかどうかの問題ではない。お母さんは食材を買ってきて、そこについていると思う農薬や汚いものを目をさらにようにして注意し、できるだけ新鮮で安全なものを我が子に食べさせようとする。その結果として時に異物が混入する場合もあるが、それは親子で許容している範囲であり、相互の信頼がある。

 

このことを考えると、有史以来、お母さんが作る料理を基本にしていた食事が、突然、ビジネスや家庭の変化によって大量の加工食品が提供されるようになり、多くの人はまだ「お母さんが作ってくれたと同じ気持ちでマクドナルドが作ってくれている」と思っていたら、テレビに出てきた人はお母さんではなく、ビジネスマンだったというのに驚いたという感じだ。

 

加工食品は大きな課題を提示されたと思う。それは「異物が混入しているかどうか」という「事実」ではなく、市場で提供される食品は「悪意のある人を含むのか、それともお母さんと同じか」という信頼性だけが問われていると思う。」

(平成27122日)

 

 

上記のコメントを見て思ったのは、グローバル化する食品の安全性です。コストパフォーマンスを追求すると、食材の質を落とし、働くスタッフの人件費を削減しなくてはならなくなります。また、流れ作業方式を採用するために、働く人たちの安全性の確保がおろそかにされるという問題も生じます。また、食材の保存性を高めるための添加物、農薬、遺伝子組み換え作物、重金属汚染、放射能の残留なども懸念されます。

 

グローバル企業にとっての至上目的は利益の追求であり、それを食べる人々の健康や幸せではないのです。我々が、そうした食品企業の食品を購入することは、その企業を応援することになります。アメリカで大量の移民を受け入れようとしているのも、そうしたグローバル企業で低賃金で働いてくれる労働力の確保が目的です。

働く人たちも幸せを感じ、その生産されたものを使う人たちも幸せになるという幸せの連鎖が本当の企業経営ではないでしょうか。

 

ジャーナリストのベンジャミン・フルフォード氏が

『マクドナルド化する世界経済」イースト・プレス 2013年

う本を書かれているので、一読をおすすめします。グローバル企業の実態がわかり、とても面白いです。

~はじめに~より

「いま、世界の117の国と地域に「マクドナルト」が存在する。

「マクドナルド」が象徴するのは、たんなる「グローバリズム」ではない。「食糧メジャー」の「支配」のシンボルなのだ。

本書の目的は、マクドナルドという一企業の批判ではなく、

マクドナルドに象徴される巨大企業の食支配、

そしてその影響を受けたビジネスモデルについて言及することである。

もし、マクドナルドのハンバーガーが「餌」とすれば、どうだろうか。

それを食べ続ける人たちもまた「家畜」となってしまうだろう。

それが、今起こっている「現実」なのである。

 

~本文より抜粋~

「正義の名のもとに人々を奴隷にし、家畜にする。食糧メジャーとは、そういう価値観の中で生まれ、それを実行している。

その結果、何が起こったのか。英国紙「ガーディアン」は、「世界の食は巨大企業に支配されている」として、こう伝える。

 

「30の企業が世界の加工食品の3分の1を支配している。

5つの企業が世界の穀物貿易の75%を支配している。

6つの企業が世界の殺虫剤市場の75%を支配している。

2つの企業が世界のバナナの売り上げの半分を占めている。

3つの企業が世界の紅茶貿易の85%を支配している。

アメリカの会社、ウォールマートはメキシコの食品卸売りの

40%を支配している。(2005年1月27日)」

 

ブラック企業と悪徳企業の違い

「悪徳企業とブラック企業は似て非なるものである。

悪徳企業は「客」を騙して暴利を貪る。ブラック企業はその点が違う。

基本的に客は騙さない。騙してむしり取る相手は「従業員」なのである。」

 

マクドナルド化する企業としてユニクロと居酒屋チェーンのワタミも登場します。

 

『おいしいハンバーガーのこわい話」

エリック・シュローサー チャールズ・ウィルソン著

宇丹貴代実 訳 草思社 2007年

もファストフード会社の生産現場の実態がわかり、とても

参考になります。

 

 

 

 

 

 

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コメント: 1
  • #1

    ST (水曜日, 03 6月 2015 12:08)

    実はハンバーガーだけに限った事ではないのですよ、裏のNWOの真実を知るととても恐ろしくなる程です。
    また、決して食に限った事ではなく強いて言えば地球上の全ての政治活動、経済活動まで牛耳っています。

    「食や薬品、環境など人体に悪影響を及ぼし、回避するには富が必須な世界」を実は目論んでいるのです。
    しかも持つ強者が持たざる弱者から騙し搾取する計略を続けており、大半の人々は気付かずにいるのです。
    目論んでいるのは上位1%のニセ偽善者の富裕層グループ、資源の浪費と奪取もいとわない連中なのです。