食物繊維の王様 コンニャク
コンニャクの成分はコンニャクマンナン(グルコマンナン)という、ほとんど消化されない食物繊維です。98%が水なので超低カロリー食品といえます。戦後は、栄養がなく消化も悪いと、悪者扱いされていましたが、「腸の砂がとれる」という根強い信仰に支えられて見捨てられずにきました。古くからコンニャクには整腸作用があることが知られていたのです。
グルコマンナンンは消化されないまま腸に入り、水分などを吸収して弾力性のあるかたまりに変化します。このとき、コレステロールや脂肪分などを取り込み、そのまま体外へ排出するので、中性脂肪やコレステロール値の低下に効果を発揮します。したがって、血液中の油分の過剰からくる高脂血症や脂肪肝に有効です。
また、大きく腸内で膨れたグルコマンナンは、便のかさをふやし腸壁を刺激します。すると、大腸のぜん動運動が活発になり、便通がよくなります。便自体もやわらかくなるので、痔の改善にも役立ちます。
グルコマンナンは、便秘解消や痔にも良いのですが、腸内の発がん物質を排泄させ、腸内の有害な細菌の繁殖を防ぐ働きもあるため大腸がんの予防にもつながります。
さらに、グルコマンナンには食後の血糖値の急激な上昇を防ぐ働きもあります。食物繊維であるグルコマンナンが、ブドウ糖の吸収に歯止めをかけてゆっくりと 腸管吸収されるため、血糖値の急上昇を抑えてくれるのです。実際、病院での糖尿病治療食としてグルコマンナンが取り入れられています。
肥満、糖尿病、コレステロールや中性脂肪が多い人は、健康維持のため週に2~3回コンニャクを食べると良いでしょう。食べ方としては、山の幸であるコンニャクと海の幸の海藻が加わると陰陽調和してパワーアップします。正食ではヒジキコンニャクを食養として使います。