血行促進と痛み止めの妙薬 ショウガ
ショウガは、日本の食卓には欠かせない食材の一つです。冷奴やそうめんの薬味にしたり、生姜湯(しょうがとう)にしたりと、生姜の香りや風味が好きな方も多いと思います。
ショウガには、すぐれた薬効があることが昔から知られていました。たとえば、ショウガには身体を温め、全身の血行を良くする働きがあり、身体の冷えや関節痛を癒してくれます。これは、ショウガに含まれているジンゲロンやショウガオールという辛み成分とジンギベロールという辛み成分と、ジンギビレンなどの芳香性の精油成分によるものです。
ショウガの辛み成分は、体内に入ると血管を広げ、血のめぐりを良くする働きがあります。ショウガを食べると血行が良くなり、手足が温まってくるのは、この成分によるものです。ショウガの精油成分にも同様に身体を温める働きがありますが、加えて、腫れや痛みを鎮める消炎作用、せきや痰を止める鎮咳作 用もあります。さらに血栓を予防して血液をサラサラにする効果があることも解明されています。これらの成分の働きにより、ショウガは関節痛やリウマチな どの痛みを伴う炎症に、驚くべき効果を発揮します。
1990年にアメリカ国立ガン研究所が発表した、ガン予防に最も効果的な 食品のひとつとして、ショウガが認定されました。当時の研究でも、ガンに効果のある成分として、ショウガの辛み成分であるジンゲロンとショーガオールがあげ られていました。現在では、さらに新しい7つの有効成分が発見され、ガンに劇的な効果を発揮するとして注目を集めています。漢方でも乾燥生姜は欠かせない もので、漢方薬の約7割に配合されています。
生姜湿布は、ショウガの薬効を外から補うもので、体内毒素を排泄し、血行を促進する素晴らしい手当て法です。お腹と腰に当てると胃腸の働きや腎臓の浄化能力が高まって、全身の新陳代謝機能が改善されます。ショウガを内用、外用の手当てに活用して下さい。